いつも野菜をおすそ分けしてくれるおばぁに、内地から送られてきた梨をいくつか持っていった。
「あっがいっ　あんたは！おばぁにこんなもの持って来るなよぉ？あんたの子供に食べさせなさい！」
と受け取り拒否されるも、
「うちにもまだたくさんあるんだよ？食べきれないから持ってきたの！」
私がすんなり引き下がるはずはない。

「そーーか、上等な梨だねぇ、ありがとうねぇ」
「どういたしまして。おばさんも、いつも野菜たくさんありがとね」
「あい、あんた、ちょっと待っとけ！」
「は？もういいよ、帰るからーー！おばさん、じゃぁねーーー？」
「おいよ、なお、これ、はいはい、これ、持って行きなさい！」

エンジンをかけて走り出そうとする車の窓に向かって押し付けられたそのモノは・・
カチンコチンに冷凍された、
２ｋｇの鶏肉。

おばぁ、ＢＢＱの予定でもあったのか？

このあたりのおじぃやおばぁは家の冷蔵庫とはまた別に”家庭用冷凍庫”を持っていて、中には過去につぶした牛やらヤギやら豚やらの肉をストックしている。
たぶん、この鶏もその感覚で買ってとっておいたものなのだろう。

２ｋｇの肉・・・
解凍してしまったら、全部一気に調理した方が、良いんだよね、きっと・・・？