ひとりごと

思いつくまま気の向くまま、宮古島に住み着いて15年くらい?何年なのかよくわからなくなりました(笑) そんな日々のたわごとを綴っています。 トラックバックは承認後に反映されます。 ご了承ください。

books

日米の元兵士達

図書館で何気なく手に取った本。



友を失い、家族を失い、自らの命も何度も危険にさらした太平洋戦争で”殺すべき敵”として戦った元兵士同士が、開戦の地パールハーバーのあるハワイで、日本がパールハーバーを攻撃した12月に、野球の試合をした。

空爆で家族や戦友を失くした元日本兵と、空爆機のパイロットだった元米兵。
特攻隊に船を沈められ多くの戦友を亡くした元米兵と、特攻隊のパイロットだった元日本兵。

「かつて武器を手にして戦ったが、平和になった今、それをバットとグローブに持ち替え野球の試合がしたい」という思いから開催された日米スーパーシニア親善野球試合。平均年齢およそ80歳。

野球を名目に元兵士たちが集い、交流し、互いの気持ちを受け止めあった。

「望んで戦ったわけでないし、もともと相手に憎しみがあったわけでもない」「国のために戦ったんだよ、おたがいにね」

「鬼だ」「クレイジーだ」と思っていた相手が「みんな同じ人間じゃ。なんも変わらん」となった。
ハワイ滞在中の彼らの通訳をつとめたのは、米軍日系人部隊として通訳などの任務に携わった日系アメリカ人だった。

戦争が終わって60年余り、頭ではわかっていても実際に心で理解し納得するのは戦場の地獄を目の当たりにした兵士達にとっては難しいことだっただろうと思う。2007年12月に開催された日米スーパーシニア親善野球試合。ただの試合ではない。80歳前後の高齢者、それこそ命がけの渡航だっだろう。戦争を生きのび、戦後を生きぬき、自身の中でけじめをつけるために、そして平和の大切さを伝えるために、命がけで野球の試合をしてくれた。

ありがとうと思う。すべての関係者に。
今、本として出版されたことにも。

中学校課題図書なので数時間で読めます。
大人にオススメ!

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